日本映画縛り首では「史上最低の映画」とも評された映画。ゼロ年代の日本映画は観客を泣かせるためにおそろしく安易な演出を連発したが、『ROOKIES -卒業-』はそこからさらに一歩進んだ演出をやった。洗脳的な手法を使ったのだ。映画の登場人物たちが「夢」という言葉を劇中30回以上使った。まるで自己啓発のセミナーのように。
原作の『ROOKEIS』では、主人公チームよりも敵チームのほうに勝利する必然性があった。敵チームは地域の希望であり、ピッチャーはOBや車イスのマネージャーのために投げ続け、監督は自分を犠牲にしてまで選手たちを勝利に導こうとした。そんな彼らの夢を主人公たち不良軍団がつぶすのだ。原作では夢に向かうことで犠牲になるものまでキッチリ描いていた。しかし映画版ではその要素が省かれて、敵チームは幽霊のような存在になった。
演技や演出が存在する映画なら、マンガよりもずっと高度な表現ができるはず。ところがゼロ年代の日本映画はマンガよりも稚拙な表現が多かった。『ROOKIES -卒業-』はとくに顕著で、少年ジャンプで連載しているマンガよりも映画のほうがずっと幼稚で嘘臭かった。
ところで僕が『ROOKIES -卒業-』で一番驚いたのは、最後の1球を投げるシーンだ。DVDで数えてみたが、1球を投げるためには5分半もかかり、カットが90回近くも切り替わる。90回のカットの半分以上は思いつめた人々の表情であり、何度も何度も同じカットを見せてくるのだ。まさに洗脳映画のクライマックスに相応しいシーンだ。
“
| — | ゼロ年代の映画ワースト10_解説 (via fukumatsu) |